RE100とは|再エネ100%を目指す枠組み・加盟要件と達成手段を解説

2026.06.12
再生可能エネルギー

「うちの会社も、いつかは電力をすべて再エネに」。そう考えたとき、道しるべとなる国際的な枠組み。それがRE100です。

RE100とは、事業活動で使用する電力を100%再生可能エネルギーで賄うことを目指す、企業の国際的なイニシアティブを指します。「100% Renewable Electricity」を略した名称です。2014年に発足し、いまや世界の名だたる企業が名を連ねています。

本記事では、RE100の意味と成り立ちから、加盟要件と中間目標、再エネ電力の達成手段、エネルギー属性証書と追加性、RE Actionなど関連する枠組みとの違い、そしてメリットと留意点まで、わかりやすく解説します。お役に立てれば幸いです。

RE100とは

事業で使う電力を

100%再生可能エネルギー

発足2014年
主催The Climate Group(CDPと連携)
目標遅くとも2050年までに100%
日本2017年にリコーが初参加

世界の主要企業が多数参加する国際イニシアティブです。

この記事の目次

RE100とは|再エネ100%を目指す国際イニシアティブ

まずは、RE100という言葉の意味と、その成り立ちを押さえましょう。ここを理解すると、加盟要件の狙いも見えてきます。

RE100とは

RE100は、企業が自らの事業で使う電力を、すべて再生可能エネルギーでまかなうことを目標に掲げる枠組みです。解説動画『再生可能エネルギーの国際イニシアティブ「RE100」とは?』でも、使用電力の100%再エネ化を目指す企業が集う取り組みだと紹介されていました。

ポイントは、対象が「電力」である点です。企業活動で消費するエネルギーのうち、電気のぶんを再エネに切り替える。太陽光や風力、水力、地熱、バイオマスといった自然の力で生まれた電気を使うことを目指します。気候変動対策の、わかりやすく力強い一歩といえるでしょう。

主催と成り立ち(The Climate GroupとCDP)

RE100を運営するのは、国際的な環境NGOであるThe Climate Group(クライメート・グループ)です。2014年に、情報開示の仕組みを持つCDPとのパートナーシップのもとで発足しました。

特定の国の制度ではなく、世界共通の枠組みとして設計されている点に特徴があります。日本では、一般社団法人日本気候リーダーズ・パートナーシップ(JCLP)が、窓口の役割を担う存在です。参加を検討する日本企業は、まずJCLPを通じて手続きを進めるのが一般的です。

なぜ広がっているのか

RE100が世界で広がる背景には、再エネへの関心の高まりがあるのです。気候変動対策が待ったなしとなるなか、企業の電力消費は、温室効果ガス排出の大きな部分を占めるからです。

加えて、サプライチェーンからの要請も無視できません。たとえば、取引先の大企業が自社の排出削減のために、部品メーカーにも再エネ利用を求める。こうした動きが連鎖し、再エネ化は競争力にも関わるテーマになりました。温室効果ガスの全体像は、関連記事の温室効果ガス(GHG)とは|種類・GWPと排出の現状・削減のポイントもあわせてご覧ください。

加盟要件と中間目標

RE100に参加するには、満たすべき要件があります。求められる目標と、日本企業の参加状況を確認しましょう。

RE100が推奨する中間目標

段階的に再エネ比率を引き上げ、2050年に100%へ

60%
90%
100%
2030年
2040年
2050年

加盟要件は年間消費電力100GWh以上(日本企業は50GWh以上)+期限付き目標の設定・公表です。

加盟要件(電力消費規模と期限付き目標)

RE100に参加できるのは、一定の要件を満たす企業です。原則として、年間の電力消費量が100GWh以上であること。ただし、日本企業については50GWh以上に緩和されています。比較的規模の大きな企業が対象になるわけです。

もう一つの要件が、期限を区切った目標の設定と公表です。遅くとも2050年までに、使用電力を100%再生可能エネルギーにする。この約束を、対外的に宣言することが求められます。

推奨される中間目標

ゴールが2050年とはいえ、それまで何もしなくてよいわけではありません。RE100の事務局は、達成までの道のりとして、中間目標を推奨しています。具体的には、2030年に60%、2040年に90%といった水準です。

段階的に再エネ比率を引き上げ、着実にゴールへ近づく。こうしたマイルストーンを置くことで、取り組みの実効性が高まります。野心的な目標を掲げるだけでなく、計画的に歩を進める姿勢が問われるのです。

日本企業の参加状況

日本は、RE100において存在感の大きい国の一つです。2017年に、リコーが日本企業として初めて参加を表明しました。それ以降、参加企業は年々増え続けています。

2024年11月時点では、88社の日本企業が参加しています。製造業から金融、小売まで、業種も多彩です。世界全体で見ても、日本は参加企業数で上位に位置します。再エネ100%への機運は、着実に高まっているといえるでしょう。

RE100の達成手段(再エネ電力の調達方法)

では、どうやって再エネ100%を実現するのでしょうか。RE100が認める主な調達方法を見ていきましょう。

RE100の主な達成手段

これらを組み合わせて再エネ100%を目指す

1

自家発電

自社の敷地に太陽光発電などを設置し、自ら再エネを生む

2

コーポレートPPA

発電事業者と長期契約を結び、再エネ電力を直接調達する

3

再エネ電力メニュー

小売電気事業者の再エネプランに切り替えて購入する

4

エネルギー属性証書

再エネの環境価値を証書の形で購入する

このほか「標準供給電力」という方法もありますが、日本は対象外です。

自家発電とコーポレートPPA

最も直接的な方法が、自家発電です。自社の工場やオフィスの屋根などに太陽光発電設備を設置し、自ら再エネを生み出します。発電した電気をその場で使うため、再エネ価値が確実に得られます。

もう一つ注目されるのが、コーポレートPPAです。これは、再エネ発電事業者と長期の電力購入契約を結ぶ仕組みを指します。自社で設備を持たずとも、特定の発電所から安定的に再エネ電力を調達できます。新たな再エネ電源の建設を後押しする効果もあり、近年は導入が広がってきました。

再エネ電力メニューの購入

より手軽な方法が、小売電気事業者が提供する再エネ電力メニューの購入です。電力会社が用意した、再エネ由来の電力プランに切り替えるだけで、再エネ調達ができます。

設備投資が不要なため、多くの企業にとって着手しやすい選択肢です。解説動画『RE100のやり方』でも、自社の状況に応じて調達方法を組み合わせる重要性が語られていました。まずはメニュー切り替えから始め、徐々に自家発電やPPAへ広げる企業も少なくありません。

エネルギー属性証書の活用

4つ目が、エネルギー属性証書の活用です。これは、再エネで発電されたという「環境価値」だけを、証書の形で取り出して取引する仕組みです。電気そのものと切り離して、価値を購入できるのが特徴です。

日本では、非化石証書、グリーン電力証書、J-クレジット(再エネ由来)などが該当します。証書を購入すれば、実際に使っている電気が何であれ、その分を再エネとみなせます。ただし、この証書には「質」を巡る論点があります。次の章で詳しく見ていきましょう。

エネルギー属性証書と「追加性」

再エネの環境価値を切り出した証書は、手軽な手段です。ただし、その「質」が問われます。証書の種類と追加性の考え方を解説しましょう。

エネルギー属性証書とは

エネルギー属性証書は、再エネ電力が持つ環境価値を証明する証書です。前述のとおり、日本では非化石証書、グリーン電力証書、J-クレジットが代表的です。電気の調達先を変えなくても、証書を買うことで再エネ利用を主張できます。

手軽さが魅力ですが、注意も必要です。解説動画『RE100の要件改定ポイント』でも、証書なら何でもよいわけではなく、要件を満たすものを選ぶ必要があると整理されていました。RE100は、証書の質に一定の基準を設けています。

追加性と15年ルール

ここで鍵となるのが、追加性という考え方です。追加性とは、その再エネ調達が、新たな再エネの普及に本当に貢献しているか、という視点を指します。

たとえばRE100では、運転開始から15年以内の発電設備による証書であることが求められます。古くからある設備の証書を買うだけでは、新規の再エネ拡大にはつながりにくいからです。同じ証書でも、新しい電源を後押しする「価値の高い」ものを選ぶ。この姿勢が、形だけでない再エネ転換につながります。

Scope2のマーケット基準との関係

再エネ調達は、温室効果ガスの算定とも深く関わります。GHGプロトコルでは、購入電力に伴う排出(Scope2)を、ロケーション基準とマーケット基準の2通りで算定します。

このうちマーケット基準では、再エネ由来の電力や証書を、排出係数ゼロとして扱えます。つまり、RE100の取り組みは、Scope2排出量の削減として、開示にもそのまま反映されるのです。算定の詳しい仕組みは、関連記事のGHGプロトコルとは|Scope1・2・3と算定の基準・組織境界で解説しています。

RE100と関連する枠組み・他の選択肢

RE100は、似た枠組みや関連する取り組みとあわせて理解すると、位置づけが明確になります。違いと関係を整理しましょう。

日本のエネルギー属性証書

再エネの「環境価値」を取り出した証書

非化石証書

非化石電源の価値を証書化。トラッキング付きが要件に適合しやすい

グリーン電力証書

再エネ発電の価値を第三者認証で証書化したもの

J-クレジット

再エネ由来の削減量を国が認証したクレジット

追加性が重視され、運転開始から15年以内の設備による証書など、質の要件があります。新たな再エネ普及に貢献する証書を選ぶことが大切です。

RE ActionとRE100の違い

RE100とよく似た枠組みに、「再エネ100宣言 RE Action」があります。これは、消費電力量にかかわらず参加できる、日本国内向けの枠組みです。RE100が大企業を主な対象とするのに対し、RE Actionは中小企業や自治体、教育機関なども参加できます。

つまり、規模の大きさで参加が難しい組織でも、再エネ100%への意思を示せる仕組みです。目指す方向は、RE100と変わりません。自社の規模に応じて、適した枠組みを選ぶとよいでしょう。

SBT・CDPとの関係

RE100は、ほかの気候イニシアティブと混同されがちです。解説動画『CDP・SBT・RE100の関係や違い』でも、それぞれの目的の違いが解説されていました。RE100が「電力の再エネ化」に特化するのに対し、SBTは温室効果ガスの削減目標そのものを扱います。

また、CDPは気候変動などへの取り組みに関する情報開示と評価の仕組みです。目的は異なりますが、これらは相互に関連しながら、脱炭素経営を後押しします。削減目標の枠組みは、関連記事のSBT(Science Based Targets)とは|目標設定の手順と認定のポイントで解説しています。

EV100など他のイニシアティブ

The Climate Groupは、RE100以外にも関連する枠組みを展開しています。代表的なのが、事業用車両の電動化を目指す「EV100」や、エネルギー効率の向上を目指す「EP100」です。

これらは、再エネ・電動化・省エネという、脱炭素の異なる側面をそれぞれ担います。RE100と組み合わせて取り組むことで、より総合的な脱炭素経営が実現します。自社の事業特性に応じて、参加する枠組みを検討するとよいでしょう。

RE100に取り組むメリットと留意点

RE100への参加は、企業に何をもたらすのでしょうか。メリットと、現実的な課題の両面を確認しましょう。

取り組むメリット

RE100に取り組むメリットは、多岐にわたります。第一に、気候変動対策としての貢献と、それによる企業評価の向上です。投資家や顧客から、環境に責任ある企業として認知されます。

加えて、温室効果ガス(Scope2)の削減に直結すること、サプライチェーンからの再エネ要請に応えられること、そして再エネ価格が安定すれば長期的なコスト管理に資することも挙げられます。脱炭素経営の全体像は、関連記事のカーボンニュートラルとは|意味・脱炭素の取り組みと企業の進め方もあわせてご覧ください。

コストや調達という課題

一方で、課題もあります。最も大きいのが、コストの問題です。再エネ電力は、従来の電力より割高になる場合があります。自家発電やPPAには、初期投資や長期契約に伴う負担も生じます。

また、日本では再エネ電源の量に限りがあり、質の高い再エネを十分に調達しにくいという現実もあるのです。野心的な目標と、調達の現実をどう折り合わせるか。ここが、多くの企業にとっての悩みどころになります。

進め方のポイント

では、どう進めればよいのでしょうか。現実的なのは、着手しやすい方法から段階的に広げることです。まずは再エネ電力メニューへの切り替えから始め、徐々に自家発電やコーポレートPPAへと広げていきます。

大切なのは、自社の電力使用量を正確に把握し、調達手段を組み合わせて計画を立てることです。そして、追加性のある質の高い再エネを優先する。サステナビリティ経営の一環として、長期的な視点で取り組む姿勢が問われます。経営全体への位置づけは、関連記事のサステナビリティ経営とは|CSRとの違い・進め方と推進のポイントもあわせてご覧ください。

RE100のメリットと留意点

取り組むメリット

  • 気候対策への貢献と企業評価の向上(投資家・顧客からの認知)
  • 温室効果ガス(Scope2)削減に直結
  • サプライチェーンからの再エネ要請に応えられる
  • 価格が安定すれば長期的なコスト管理に資する

課題(留意点)

  • 再エネ電力は従来より割高になる場合がある
  • 自家発電・PPAは初期投資や長期契約の負担
  • 日本は質の高い再エネを十分に調達しにくい現実

着手しやすい電力メニュー切替から段階的に広げ、追加性のある質の高い再エネを優先するのが現実的です。

あわせて読みたい:証書はどこで・どうやって買う?手順と使い分け → 再エネ証書の買い方|非化石証書・グリーン電力証書・J-クレジットの取得手順

まとめ|RE100は再エネ転換の道しるべ

RE100とは、事業で使う電力を100%再生可能エネルギーで賄うことを目指す、国際的なイニシアティブでした。2014年にThe Climate GroupがCDPと連携して発足し、日本でも2017年のリコーを皮切りに、参加企業が増え続けています。加盟には電力消費規模などの要件があり、2050年100%に向けた中間目標の設定が求められます。

達成手段には、自家発電、コーポレートPPA、再エネ電力メニュー、エネルギー属性証書があります。証書では、新たな再エネ普及に貢献する「追加性」が重視されます。RE100の取り組みは、GHGプロトコルのScope2削減にも直結し、SBTやCDPと並ぶ脱炭素経営の柱の一つです。コストや調達の課題はあるものの、着手しやすい方法から段階的に進めるのが現実的でしょう。

電力の再エネ化は、企業の脱炭素における、わかりやすく重要な一歩です。まずは自社がどれだけ電力を使い、どこから調達しているのかを把握することから、始めてみてはいかがでしょうか。ESG・脱炭素の全体像はESGとは|意味・E/S/G・情報開示・投資まで完全ガイドもあわせてご覧ください。greenoteでは、脱炭素やサステナビリティの実務情報を、これからもお届けしていきます。

よくある質問(FAQ)

Q. RE100とは何ですか? A. RE100とは、事業活動で使用する電力を100%再生可能エネルギーで賄うことを目指す、企業の国際的なイニシアティブです。「100% Renewable Electricity」を略した名称です。2014年に英国のThe Climate Group(クライメート・グループ)が、CDPとのパートナーシップのもとで発足しました。世界の主要企業が多数参加しています。

Q. RE100の加盟要件は何ですか? A. 原則として、年間の電力消費量が100GWh以上であることが求められます(日本企業は50GWh以上に緩和されています)。あわせて、遅くとも2050年までに使用電力を100%再生可能エネルギーにするという、期限を区切った目標を設定・公表することが必要です。RE100事務局は、2030年60%・2040年90%といった中間目標を推奨しています。

Q. RE100はどうやって達成するのですか? A. 主な方法は、①自社で太陽光発電などを行う「自家発電」、②発電事業者と直接契約する「コーポレートPPA」、③小売電気事業者の「再エネ電力メニュー」を購入する、④再エネの環境価値を示す「エネルギー属性証書」(非化石証書・グリーン電力証書・J-クレジットなど)を活用する、です。これらを組み合わせて100%を目指します。

Q. エネルギー属性証書の「追加性」とは何ですか? A. 追加性とは、その再エネ調達が、新たな再生可能エネルギーの普及に実際に貢献しているか、という考え方です。RE100では、証書の質が重視されており、たとえば運転開始から15年以内の発電設備による証書であることなどの要件があります。古い設備の証書だけでは、新たな再エネ拡大への貢献が乏しいと見なされる場合があります。

Q. RE100とRE Actionの違いは何ですか? A. RE100は、年間の電力消費量が大きい大企業向けの国際的なイニシアティブです。一方、RE Action(再エネ100宣言 RE Action)は、消費電力量にかかわらず参加できる、日本国内の中小企業や自治体・教育機関などに向けた枠組みです。目指す方向(再エネ100%)は同じですが、参加できる対象の規模に違いがあります。

Q. RE100とSBTやCDPはどう違いますか? A. RE100は「電力の再エネ化」に特化したイニシアティブです。これに対し、SBT(科学的根拠に基づく目標)は温室効果ガスの削減目標そのものを扱い、CDPは気候変動などへの取り組みに関する情報開示と評価の仕組みです。目的は異なりますが、いずれも脱炭素経営を後押しする枠組みとして、相互に関連しています。

出典・参考(一次情報)

※ 本記事は上記の一次情報をもとにgreenote編集部が整理しています。最新の内容は各公式サイトでご確認ください。

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サステナビリティ実務・編集統括

ESG・サステナビリティ開示・脱炭素分野の一次情報を継続的に確認し、greenote掲載記事の企画・編集・公開に責任を持っています。官公庁・国際機関の公式情報に基づく編集方針を統括しています。

最終更新日:2026年6月20日

この記事の著者

greenote編集部

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