GHGプロトコルとは|Scope1・2・3と算定の基準・組織境界をわかりやすく解説

2026.06.12
サステナビリティ開示

「自社の二酸化炭素は、年間どれくらいか」。そう問われて、即座に数字で答えられる企業は、まだ多くありません。その「測り方」を世界で統一したのが、GHGプロトコルです。

GHGプロトコルとは、企業や組織の温室効果ガス排出量を算定・報告するための、国際的な基準を指します。1998年に設立され、排出量を「Scope1・2・3」という3つの区分でとらえる考え方を生み出しました。いまでは、排出量の数え方における世界共通のものさしとなりました。

本記事では、GHGプロトコルの成り立ちから、対象となる温室効果ガス、Scope1・2・3の区分、Scope3の15カテゴリ、算定の組織境界とScope2の2つの基準、そしてSBTやCDP、有価証券報告書との関係まで、できるだけ詳しく解説します。排出量算定の全体像をつかむ一助になれば幸いです。

GHGプロトコルの歩み

排出量算定の世界標準として進化

1998年
設立 ― WRI(世界資源研究所)とWBCSDが創設
2001年
コーポレート基準 ― Scope1・2の算定報告基準を公表
2011年
Scope3基準・プロダクト基準 ― バリューチェーン全体の算定へ
2015年
Scope2ガイダンス ― ロケーション基準・マーケット基準を整理

特定の国の制度ではなく、業種・地域を問わず使える共通ルールとして設計されました。

目次

GHGプロトコルとは|排出量算定の世界標準

まずは、GHGプロトコルという言葉の意味と、それが生まれた背景を押さえましょう。ここを理解すると、後の細かなルールの狙いも見えてきます。

GHGプロトコルとは何か

GHGプロトコルは、温室効果ガス(Greenhouse Gas)の排出量を算定し、報告するための国際的なルール集です。GHGとは、二酸化炭素やメタンなど、地球温暖化の原因となるガスの総称になります。

解説動画『GHGプロトコルとは?Scope1〜3や取り組むメリットを解説』でも、GHGプロトコルが排出量を見える化し、削減や開示の取り組みにつなげる土台だと説明されていました。何ごとも、まず正確に測ることから始まります。排出量という「見えないもの」に、共通の数え方を与えた点に、この基準の意義があるわけです。

誰が作ったのか(WRIとWBCSD)

GHGプロトコルを作ったのは、2つの国際的な組織です。一つは、アメリカのシンクタンクであるWRI(世界資源研究所)。もう一つが、企業の集まりであるWBCSD(持続可能な発展のための世界経済人会議)です。

両者が中心となり、1998年にこの取り組みは始まりました。研究機関の知見と、実際に排出量を測る企業の実務感覚。その両方を持ち寄ったからこそ、机上の空論ではない、使える基準が生まれたといえるでしょう。2001年には、最初の基準である「コーポレート基準」が公表されました。

なぜ世界標準になったのか

GHGプロトコルが世界標準となった理由は、その汎用性と中立性にあります。特定の国の制度ではなく、業種や地域を問わず使える共通ルールとして設計されたのです。

加えて、後押しとなったのが各種の国際イニシアティブでした。CDPやSBT、RE100といった枠組みが、排出量の算定にGHGプロトコルへの準拠を求めたのです。結果として、世界の主要企業の多くがこの基準で排出量を報告するようになりました。ESG情報開示全体の枠組みは、関連記事のESG情報開示とは|基礎・開示の枠組みと企業が押さえるポイントもあわせてご覧ください。

対象となる温室効果ガスと算定の基本

排出量を測るには、「何を」「どう数えるか」を先に決めなければなりません。GHGプロトコルが対象とする7つのガスと、CO2換算という共通のものさしを確認します。

GHGプロトコルが対象とする7つの温室効果ガス

国連気候変動枠組条約(UNFCCC)と同じ7ガス

温室効果ガス主な発生源
二酸化炭素(CO2)燃料の燃焼、工業プロセスなど
メタン(CH4)農業、廃棄物の埋立など
一酸化二窒素(N2O)農業、燃料の燃焼など
ハイドロフルオロカーボン(HFCs)冷媒、エアコンなど
パーフルオロカーボン(PFCs)半導体の製造など
六フッ化硫黄(SF6)電気絶縁ガスなど
三フッ化窒素(NF3)電子部品の製造など

種類の違うガスは、すべてCO2換算(CO2e)に統一して合算します。換算にはGWP(地球温暖化係数)を用います。

対象は7つの温室効果ガス

GHGプロトコルが対象とするのは、7種類の温室効果ガスです。二酸化炭素(CO2)、メタン(CH4)、一酸化二窒素(N2O)、ハイドロフルオロカーボン(HFCs)、パーフルオロカーボン(PFCs)、六フッ化硫黄(SF6)、そして三フッ化窒素(NF3)になります。

これらは、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)で定められたガスと同じです。二酸化炭素ばかりが注目されがちですが、メタンやフロン類なども、温暖化に大きく影響します。だからこそ、複数のガスをまとめて対象とするわけです。

CO2換算とGWP(地球温暖化係数)

種類の違うガスを、どうやって合算するのでしょうか。ここで使うのが、CO2換算(CO2e)という考え方です。すべてのガスを、二酸化炭素の量に換算してから足し合わせます。

換算のカギを握るのが、GWP(地球温暖化係数)です。これは、各ガスが二酸化炭素の何倍の温室効果を持つかを示した数値になります。たとえばメタンは、同じ重さの二酸化炭素より、はるかに強い温室効果を持ちます。GWPを掛けることで、異なるガスを同じ土俵で比べられるのです。

算定の基本式(活動量×排出係数)

では、実際の排出量はどう計算するのでしょうか。基本となる式は、とてもシンプルです。「排出量=活動量×排出係数」。これが、すべての出発点になります。

活動量とは、電気の使用量や燃料の消費量、輸送の距離といった、事業活動の規模を示す数字です。これに、単位あたりの排出量を示す「排出係数」を掛けます。さらにGWPを反映させれば、CO2換算の排出量が求まります。一つひとつは地道な計算ですが、この積み重ねが全体像を描き出すのです。

Scope1・2・3とは|3つの排出区分

GHGプロトコル最大の発明が、排出量を3つの「Scope(スコープ)」に分ける考え方です。自社の排出から、サプライチェーン全体へと視野を広げる枠組みを見ていきましょう。

Scope1・2・3の全体像

自社からサプライチェーン全体へ

Scope1

直接排出

自社の工場・車両での燃料燃焼、工業プロセスなど

Scope2

エネルギー起源の間接排出

購入した電気・熱・蒸気の使用に伴う排出

Scope3

その他の間接排出

原材料の調達、製品の使用・廃棄などバリューチェーン全体

Scope1+Scope2+Scope3=サプライチェーン排出量。多くの企業でScope3が最大の割合を占めます。

Scope1(自社の直接排出)

Scope1は、事業者が自ら直接排出する温室効果ガスです。具体的には、自社の工場でのボイラーの燃焼、社有車のガソリン消費、製造工程での化学反応などが該当します。

つまり、自社の煙突や排気から直接出ていくぶん、と考えるとわかりやすいでしょう。フロンガスの漏えいなども、ここに含まれます。自らがコントロールできる排出であり、削減の取り組みも比較的着手しやすい領域です。

Scope2(エネルギー起源の間接排出)

Scope2は、他社から購入した電気・熱・蒸気を使うことで生じる、間接的な排出です。自社のオフィスや工場で電気を使えば、その電気を作る発電所では二酸化炭素が排出されているのです。

その発電に伴う排出を、電気を使った自社のぶんとして計上するのが、Scope2の考え方です。動画でも、自社が直接出すのではないものの、自社の活動が起因となる排出だと整理されていました。電力会社を再生可能エネルギー由来に切り替えれば、この排出は大きく減らせます。

Scope3(その他の間接排出=サプライチェーン)

Scope3は、Scope1とScope2のどちらにも当てはまらない、すべての間接排出です。解説動画『スコープ1・2・3とは?』でも、自社の事業活動に関連する他社の排出だと説明されています。

たとえば、原材料を作るときの排出、仕入れた部品の輸送、販売した製品をお客様が使うときの排出。こうしたバリューチェーン全体の排出が、Scope3に当たるものです。そして、Scope1・2・3の合計が「サプライチェーン排出量」と呼ばれます。範囲が広いぶん、把握は簡単ではありません。Scope3の全体像や算定の進め方は、関連記事のScope3とは|サプライチェーン排出量の算定・削減・開示で体系的にまとめています。

Scope3の15カテゴリ(上流8・下流7)

Scope3は、さらに15のカテゴリに細分されます。原材料の調達から製品の使用・廃棄まで、バリューチェーンのどこで排出が生まれるのかを一望しましょう。

Scope3の15カテゴリ

自社(Scope1・2)を挟み、上流8・下流7に分かれる

上流(調達側)カテゴリ1〜8

  • 1購入した製品・サービス
  • 2資本財(設備・機械)
  • 3燃料・エネルギー関連活動(Scope1,2以外)
  • 4輸送・配送(上流)
  • 5事業から出る廃棄物
  • 6出張
  • 7雇用者の通勤
  • 8リース資産(上流)

下流(販売側)カテゴリ9〜15

  • 9輸送・配送(下流)
  • 10販売した製品の加工
  • 11販売した製品の使用
  • 12販売した製品の廃棄
  • 13リース資産(下流)
  • 14フランチャイズ
  • 15投資

製造業ではカテゴリ1(原材料調達)、使用時に電力を要する製品ではカテゴリ11(製品の使用)が大きくなりがちです。

上流の8カテゴリ(カテゴリ1〜8)

「上流」とは、自社の事業の前段階、おもに調達側で生じる排出です。カテゴリ1の「購入した製品・サービス」から始まり、カテゴリ2の「資本財」(設備や機械)、カテゴリ3の「燃料・エネルギー関連活動」と続きます。

さらに、カテゴリ4の「輸送・配送(上流)」、カテゴリ5の「事業から出る廃棄物」、カテゴリ6の「出張」、カテゴリ7の「雇用者の通勤」、カテゴリ8の「リース資産(上流)」が並びます。多くの製造業では、カテゴリ1の原材料調達が、排出量の大きな部分を占める傾向があります。

下流の7カテゴリ(カテゴリ9〜15)

「下流」は、自社が製品やサービスを送り出した後、販売側で生じる排出です。カテゴリ9の「輸送・配送(下流)」、カテゴリ10の「販売した製品の加工」、カテゴリ11の「販売した製品の使用」と続きます。

そして、カテゴリ12の「販売した製品の廃棄」、カテゴリ13の「リース資産(下流)」、カテゴリ14の「フランチャイズ」、カテゴリ15の「投資」で締めくくられます。自動車や家電のように、使用時に電気や燃料を消費する製品では、カテゴリ11の「製品の使用」が突出して大きくなることもあります。

なぜScope3が最も重要なのか

多くの企業にとって、排出量の大半はScope3が占めます。自社の直接排出であるScope1・2は、全体の一部にすぎないことが少なくありません。

つまり、サプライチェーン全体を見なければ、本当の排出量は見えてこないのです。だからこそ、近年の開示制度や削減目標は、Scope3まで含めることを重視します。把握は大変ですが、削減の余地もまた、Scope3に大きく眠っているといえるでしょう。

算定の組織境界とScope2の2つの基準

同じ会社でも、どこまでを「自社」と数えるかで排出量は変わります。算定の前提となる組織境界の設定と、Scope2に特有の2つの算定基準を解説します。

組織境界|出資比率基準と支配力基準

算定を始める前に、まず決めるべきが「組織境界」です。子会社や関連会社の排出を、どこまで自社のものとして数えるか。GHGプロトコルは、2つの考え方を示しています。

一つが「出資比率基準」。各事業の排出量を、自社の出資比率に応じて算入する方法です。もう一つが「支配力基準」で、支配下にある事業の排出量を100%算入します。支配力は、財務方針や経営方針を決める「財務支配力」、または経営方針を導入・実施する権限を持つ「経営支配力」のいずれかで判断します。どの基準を選ぶかで、対象範囲が変わる点に注意が必要です。

Scope2|ロケーション基準とマーケット基準

Scope2には、特有の論点があります。電力使用に伴う排出を、2つの方法で算定する点です。一つが「ロケーション基準」、もう一つが「マーケット基準」になります。

ロケーション基準は、企業が立地する地域の電力系統について、その平均的な排出係数を用いる方法です。一方のマーケット基準は、実際に契約した電力の種類ごとの排出係数を使います。再生可能エネルギー由来の電力なら、排出係数をゼロとして扱えるわけです。2015年のScope2ガイダンス以降は、原則として両方の併記が求められます。再エネ調達の効果は、マーケット基準でこそ反映されるわけです。

算定の進め方

実際の算定は、決まった手順で進みます。解説動画『サプライチェーン排出量を算定する手順』でも、段階を追って整理されていました。まず、算定の対象範囲(組織境界とScope)を定めます。

次に集めるのが、電気使用量や燃料消費量といった活動量のデータです。そこに排出係数とGWPを掛け、CO2換算の排出量を求めます。最初から完璧を目指す必要はありません。把握しやすいScope1・2から着手し、徐々にScope3へ広げるのが現実的な進め方です。カーボンニュートラルに向けた全体像は、関連記事のカーボンニュートラルとは|意味・脱炭素の取り組みと企業の進め方もあわせてご覧ください。

Scope2の2つの算定基準

電力使用に伴う排出を、2通りで算定

ロケーション基準

立地する地域の電力系統の、平均的な排出係数を用いる。

調達先を問わず、立地で決まる

マーケット基準

契約した電力の種類ごとの排出係数を用いる。

再エネ由来は排出係数をゼロにできる

2015年のScope2ガイダンス以降、両方の併記が求められます。再エネ調達の効果はマーケット基準に表れます。

GHGプロトコルと主要な制度・基準の関係

GHGプロトコルは、それ単体ではなく、さまざまな制度の土台として機能しています。SBTやCDP、そして日本の有価証券報告書まで、その広がりを確認します。

SBT・CDP・RE100との関係

GHGプロトコルの存在感を高めたのが、主要な気候イニシアティブとの結びつきです。SBT(科学的根拠に基づく目標)は、削減目標を設定する際の排出量算定に、GHGプロトコルへの準拠を前提としています。

国際的な情報開示の仕組みであるCDPや、再生可能エネルギー100%を目指すRE100も同様です。これらの枠組みに参加するには、GHGプロトコルに沿った算定が事実上の条件です。削減目標の立て方は、関連記事のSBT(Science Based Targets)とは|目標設定の手順と認定のポイントで解説しています。

ISO14064と日本のサプライチェーン算定

GHGプロトコルと並ぶ国際規格に、ISO14064があります。これも温室効果ガスの算定・報告に関する規格で、GHGプロトコルと整合する形で作られています。両者は競合するというより、補い合う関係にあるといえるでしょう。

日本国内でも、環境省と経済産業省が「グリーン・バリューチェーンプラットフォーム」を通じて、サプライチェーン排出量の算定を後押ししてきました。その基本ガイドラインも、GHGプロトコルに準拠しています。国内の実務も、この国際基準の上に成り立っているのです。

Scope1・2・3とサプライチェーン排出量の概念図
上流(Scope3)→自社(Scope1・2)→下流(Scope3)という排出の流れと、Scope3の15カテゴリ。
出典:環境省・経済産業省「グリーン・バリューチェーンプラットフォーム」

SSBJ・ISSBと有価証券報告書

近年、GHGプロトコルの重要性をさらに高めているのが、サステナビリティ開示の制度化です。国際的なISSB基準も、日本のSSBJ基準も、排出量の算定にGHGプロトコルの考え方を採用しているのです。

つまり、有価証券報告書などで排出量を開示する際にも、GHGプロトコルが土台となるわけです。今後、開示の義務化が進むほど、正確な算定の重要性は増していきます。気候関連の情報開示の枠組みは、関連記事のTCFDとは|4つの柱・11項目とシナリオ分析・義務化の動向もあわせてご覧ください。

まとめ|GHGプロトコルは脱炭素の「共通言語」

GHGプロトコルとは、企業の温室効果ガス排出量を算定・報告するための、世界標準の基準でした。1998年にWRIとWBCSDが設立し、2001年のコーポレート基準で、排出量をScope1・2・3に区分する考え方を確立しています。対象は7つの温室効果ガスで、すべてをCO2換算して合算します。

排出量は「活動量×排出係数」を基本に算定し、Scope3はさらに15のカテゴリに細分されます。算定にあたっては、組織境界(出資比率基準・支配力基準)の設定や、Scope2のロケーション基準・マーケット基準といった論点を押さえておくことが欠かせません。そしていまや、SBTやCDP、SSBJといった主要な制度が、こぞってGHGプロトコルを土台としています。

排出量を測ることは、削減への第一歩です。世界中の企業が同じものさしで語れる、その「共通言語」がGHGプロトコルにほかなりません。まずは把握しやすいScope1・2から、自社の排出量を見える化することから始めてみてはいかがでしょうか。ESG・サステナビリティ開示の全体像はESGとは|意味・E/S/G・情報開示・投資まで完全ガイドもあわせてご覧ください。greenoteでは、ESG・サステナビリティ開示の実務情報を、これからもお届けしていきます。

よくある質問(FAQ)

Q. GHGプロトコルとは何ですか? A. GHGプロトコルとは、企業や組織の温室効果ガス(GHG)排出量を算定・報告するための国際的な基準です。1998年にWRI(世界資源研究所)とWBCSD(持続可能な発展のための世界経済人会議)が中心となって設立し、2001年に最初のコーポレート基準が公表されました。排出量をScope1・2・3に区分する考え方を確立し、いまや世界の排出量算定の事実上の標準となっています。

Q. Scope1・Scope2・Scope3の違いは何ですか? A. Scope1は、自社が燃料の燃焼などで直接排出する温室効果ガスです。Scope2は、購入した電気・熱・蒸気の使用に伴う間接排出です。Scope3は、Scope1・2以外のすべての間接排出で、原材料の調達や製品の使用・廃棄など、サプライチェーン全体で生じる排出を指します。Scope1〜3の合計を「サプライチェーン排出量」と呼びます。

Q. Scope3の15カテゴリとは何ですか? A. GHGプロトコルのScope3基準は、サプライチェーンの排出を15のカテゴリに分類しています。カテゴリ1〜8が「上流」(購入した製品・サービス、資本財、燃料・エネルギー関連活動、輸送・配送、事業からの廃棄物、出張、通勤、リース資産)、カテゴリ9〜15が「下流」(輸送・配送、製品の加工、製品の使用、製品の廃棄、リース資産、フランチャイズ、投資)です。

Q. Scope2のロケーション基準とマーケット基準の違いは何ですか? A. ロケーション基準は、企業が立地する地域の電力系統の平均排出係数を用いて算定する方法です。マーケット基準は、購入した電力の種類や契約ごとの排出係数を用いる方法で、再生可能エネルギー由来の電力などは排出係数をゼロとして扱えます。2015年のScope2ガイダンス以降、両方の併記が求められています。

Q. 組織境界の出資比率基準と支配力基準とは何ですか? A. グループ企業の排出量をどこまで自社に含めるかを決める考え方です。出資比率基準は、各事業の排出量を出資比率に応じて算入します。支配力基準は、支配下にある事業の排出量を100%算入し、財務支配力(財務・経営方針を決定する力)または経営支配力(経営方針を導入・実施する権限)のいずれかで支配を判断します。

Q. GHGプロトコルとSBTやCDPはどう関係していますか? A. SBT(科学的根拠に基づく目標)、CDP、RE100といった主要な気候イニシアティブは、排出量の算定・報告の基準としてGHGプロトコルへの準拠を求めています。また、日本のサステナビリティ開示基準(SSBJ)や国際的なISSB基準も、GHGプロトコルに沿った算定を前提としています。GHGプロトコルは、各種制度の共通の土台といえます。

この記事の著者

greenote編集部

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