間接送電権とは|エリア間の値差をヘッジする仕組みと「混雑収入を原資とする」構造・2026年度の商品拡充まで深掘り解説

2026.06.28
再生可能エネルギー

同じ瞬間でも、電気の値段は地域によって変わることがあります。地域をつなぐ送電線(連系線)が混雑すると、安いエリアから高いエリアへ電気を送りきれず、市場が分断されるからです。このとき、エリアをまたいで電気を売り買いする事業者には、エリア間の値段の差(値差)リスクが生じる。これを和らげる金融的な仕組みが、間接送電権です。本記事では、その仕組みと、原資である「混雑収入」という構造、そして近年の見直しまで、資源エネルギー庁・JEPXの一次情報をもとに、深掘りして解説します。

電力市場の全体像は電力市場とは、取引所そのものはJEPX(日本卸電力取引所)とはもあわせてご覧ください。

この記事の目次

間接送電権とは

まず、間接送電権をひとことで整理します。「エリアをまたぐ取引で生じる、電気の値段の差(値差)を受け取る権利」という発想から入りましょう。

間接送電権をひとことで言うと

間接送電権とは、地域間連系線をまたぐ取引で生じる「エリア間の価格差(値差)」を受け取る権利です。2019年度JEPX(日本卸電力取引所)に導入されました。ここで肝心なのは、これが物理的に電気を送る権利ではないという点。あくまで、値差を金銭でやり取りする「金融的な権利」です。

名前に「送電権」とありますが、電気そのものを動かすわけではありません。市場が分断され、エリアごとに価格が変わったとき、その差額を受け取る(または支払う)——。そういう、価格差に着目した権利だと捉えると、理解しやすくなる。

なぜ必要なのか――エリア間の値差リスク

なぜ、こんな権利が必要なのか。理由は、エリアをまたぐ取引には「値差リスク」がつきまとうからです。たとえば、安いエリアの発電所から、高いエリアの需要家へ電気を売る相対契約を結んだとします。市場が分断されなければ問題ありません。

ところが連系線が混雑して市場が分断されると、買うエリアと売るエリアで価格が食い違い、当事者間で合意した価格どおりに電気を受け渡せなくなる。この読めない値差が、事業者の経営を不安定にする。そこで、値差が出てもその分を補える仕組みとして、間接送電権が求められるのです。

前提――市場分断と間接オークション

間接送電権を理解するには、まず「なぜエリアで価格が変わるのか」、そして「なぜ2018年に連系線の使い方が変わったのか」を押さえる必要があります。

連系線が混雑すると、エリアで価格が分かれる

エリアA

安い

エリアB

高い

連系線に空きがあれば価格は揃うが、混雑して市場が分断されると、エリアごとにスポット価格が変わる。この差がエリア間の値差

出典:資源エネルギー庁・OCCTO・JEPXの公開情報をもとにgreenote作成

連系線の混雑と市場分断(エリアプライス)

日本の電気は、地域(エリア)ごとに分かれた送電網を、地域間連系線でつないで融通し合っています。電気が余って安いエリアから、足りなくて高いエリアへ送れれば、価格は近づく。ところが、連系線の容量に空きがなく混雑すると、それ以上は送れません。

すると、電力市場はエリアごとに分断され、JEPXのスポット価格が地域によって変わる。これがエリアプライスであり、その差が値差です。連系線という「送電網の通り道」が細いほど、地域差は大きくなる。市場分断は、再エネが偏って増える時間帯などに、実際にしばしば起こります。

先着優先から間接オークションへ(2018年10月)

この連系線、かつては「先着優先」「空押さえの禁止」を原則に、電力広域的運営推進機関(OCCTO)が利用計画を管理していました。しかし、より公正な競争のもとで送電線を使い、広域メリットオーダー(安い電源から順に使うこと)を達成して電気料金を抑えるため、ルールが見直されます。2018年10月、市場原理にもとづきスポット市場を介して連系線を配分する「間接オークション」が導入されました。

この変更で、エリアをまたいで電気を取引する場合は、相対契約であってもJEPXのスポット市場を介するのが基本になりました。連系線を別途「予約」するのではなく、市場で電気を買えば、結果として連系線が割り当てられる。合理的な仕組みですが、市場分断が起きると、合意していた相対価格を実現できず、値差が事業者の損益を直撃する——。その副作用への手当てとして、2019年度に間接送電権が導入されたのです。資源エネルギー庁・JEPXのとりまとめ(2025年3月)は、この経緯をそう整理しています。

間接送電権の仕組み

では、間接送電権そのものの仕組みを見ていきます。ポイントは「物理的に電気を送る権利ではない」ことです。

値差を受け取る、金融的な権利

間接送電権とは

JEPXスポット市場で取引した際に、エリア間の価格差(値差)を受け取る権利、または支払う義務。物理的に電気を送る権利ではない

オークションで発行

対象となる連系線の方向ごとに入札で発行。発行量は連系線の空容量が上限

市場が分断され値差が生じる

連系線が混雑し、エリア間に価格差が出る。

値差を受け取る

権利の保有者は、対象方向の値差に応じた金額を受け取れる。

電気そのものは動かさず、価格差を金銭でやり取りする。

出典:JEPX・資源エネルギー庁の公開情報をもとにgreenote作成

値差を受け取る「金融的な権利」

間接送電権の中身は、JEPXのスポット市場で取引した際に、エリア間の価格差(値差)を受け取る権利です。逆に、値差の方向によっては支払う義務になることもあります。繰り返しになりますが、電気そのものは動かしません。動くのは、値差に応じたお金だけです。

これは、海外でFTR(金融的送電権)と呼ばれる仕組みの、日本版にあたる。電気の物理的な流れと、価格差の金銭的なやり取りを切り離すことで、市場分断のリスクだけを取り出して扱えるようにした——。だから「間接」送電権なのです。電気の受け渡しを伴わない点は、電力先物とよく似ています。

オークションで発行され、連系線の空容量が上限になる

間接送電権は、オークション(入札)によって発行されます。そして、対象となるのは地域間連系線の「方向」ごとです。たとえば「北海道から東北」「東京から中部」といったように、どちらの向きの値差をヘッジするかで商品が分かれます。

ここで重要なのが、発行量には上限があることだ。間接送電権の発行量は、連系線の「空容量」が上限となる。空容量とは、連系線の運用容量から、マージンと経過措置の計画量を差し引いた量のこと。物理的な送電網の余裕を超えて、権利だけが無制限に発行されることはありません。事業者は、自社が抱えるエリアをまたぐ取引の向きに合わせて、必要な間接送電権をオークションで取得し、値差リスクに備える。

原資は「混雑収入」――値差を生む歪みが、値差を補う

間接送電権を深く理解する鍵は、その原資にあります。市場分断が生む「混雑収入(値差収益)」という、自己完結的な構造を見ていきましょう。

歪みが生む収入が、歪みのリスクを補う

連系線を介した約定量

×

エリア間の値差

値差収益(混雑収入)

市場分断が起きると、JEPXに発生する

間接送電権の保有者へ

値差リスクをヘッジする事業者に、値差に応じて還元される。

連系線の増強費用へ

本来は送電網を太くする原資にもなる。

市場分断という歪みが生む収入で、その歪みのリスクを補う構造。ただし2つの使い道は両立が課題

出典:資源エネルギー庁・JEPX「間接送電権の制度・在り方等に関する検討会 とりまとめ(2025年3月)」をもとにgreenote作成

市場分断が生む混雑収入(値差収益)

間接送電権の「原資」は、どこから来るのか。実は、市場分断そのものが生み出す。市場が分断され、エリア間に値差が出ると、JEPXには「連系線を介した約定量 × エリア間の値差」にあたる値差収益(混雑収入)が発生する。安いエリアで集めた電気を、高いエリアで売ったときに生まれる差額——これが、取引所に積み上がるのです。

間接送電権で保有者が受け取る値差は、この混雑収入を原資としています。つまり、市場分断という「歪み」が生む収入で、その歪みが生むリスクを補っている。海外でも、卸電力市場の開設者が混雑収入を原資に金融的送電権(FTR)を発行する例が多い、と資源エネルギー庁・JEPXのとりまとめ(2025年3月)は説明しています。値差を恐れる人と、値差で潤う取引所。その間をつなぎ直すのが、間接送電権なのです。

値差収益は本来、連系線増強の原資でもある

ただし、この混雑収入には、もう一つの大切な使い道があります。それが、連系線の増強費用だ。値差が出るのは、連系線が細くて電気を送りきれないから。ならば、その値差から生まれた収益で連系線を太くすれば、将来の混雑そのものが減る——という理屈です。値差収益は、いまのリスクヘッジと、将来の増強投資の、両方の原資になりうる。

ここに、間接送電権の根の深い論点があります。混雑収入を間接送電権の保有者へ多く回せば、目先の値差ヘッジは充実する。けれど、その分連系線増強に充てられる原資は減る。両者は、限られた値差収益を取り合う関係にもある。この緊張が、後で述べる「取引の適正化」という課題につながっていきます。

どうリスクをヘッジするか――電力先物との違い

間接送電権の核心は、エリアをまたぐ取引の値差リスクを埋めることにあります。時間方向の電力先物との違いとあわせて整理します。

時間のヘッジと、エリアのヘッジ

電力先物

時間方向のヘッジ

将来の電力価格が上下するリスクに備える。いまと将来の価格差に着目する。

間接送電権

エリア方向のヘッジ

同じ時間でも地域によって価格が変わるリスク(市場分断による値差)に備える。エリア間の価格差に着目する。

電力先物は時間、間接送電権はエリア。両者は補い合い、価格変動リスクを多面的に和らげる。

出典:JEPX・資源エネルギー庁の公開情報をもとにgreenote作成

エリアをまたぐ取引の値差を埋める

間接送電権の使い方は、シンプルです。エリアをまたぐ取引で値差が出ても、その分を間接送電権で埋める。たとえば、安いエリアで電気を確保し、高いエリアの需要家へ届ける契約があるとします。市場分断で値差が出れば、本来の利益が削られる。

そこで、その方向の間接送電権をあらかじめ持っておけば、値差が出たぶんの金額を受け取れ、損益を安定させられます。連系線の混雑という、自社ではどうにもできない要因による振れを、金融的な権利でならす——。これが、間接送電権の基本的なヘッジの考え方です。

電力先物は「時間」、間接送電権は「エリア」のヘッジ

ここで、電力先物との違いを整理しておきましょう。両者とも、電気の受け渡しを伴わない金融的なヘッジ手段である点は共通しています。けれど、守る対象が違う。

電力先物がヘッジするのは、「時間」方向のリスクです。将来、電力価格が上下する不確かさに備える。一方、間接送電権がヘッジするのは、「エリア」方向のリスク。同じ時間でも、地域によって価格が変わる(市場分断による値差)不確かさに備えます。時間の振れは電力先物、エリアの振れは間接送電権——。両者を組み合わせれば、価格変動リスクを多面的に和らげられるのです。

対象連系線と商品の拡充(2026年度〜)

間接送電権市場は、制度導入から約5年を経て、対象と商品を広げる見直しが進んでいます。一次情報をもとに整理します。

広がる対象と、新しい年間商品

2019年度〜

当初の5連系線6商品

期待値差が0.01円/kWhを上回る方向

  • 北海道→東北(逆)
  • 東京⇔中部(順・逆)
  • 関西→四国(逆)
  • 中国→四国(逆)
  • 中国→九州(逆)
2026年度〜 追加

新たに6つの方向

直近の値差で0.01円/kWh超

  • 北海道→東北(順)
  • 東北→東京(順)
  • 中部→北陸(逆)
  • 中部→関西(逆)
  • 北陸→関西(逆)
  • 関西→中国(逆)

新しい年間商品

これまでの週間商品に加え、4月1日〜翌3月31日を対象とする年間商品を導入する方向。長期の卸取引のヘッジに対応(2026年度以降できるだけ早期)。

出典:資源エネルギー庁・JEPX「間接送電権の制度・在り方等に関する検討会 とりまとめ(2025年3月)」をもとにgreenote作成

当初の5連系線6商品と、2026年度からの追加

間接送電権は、取引に1kWhあたり0.01円の手数料がかかることなどから、やみくもに全方向で発行されるわけではありません。導入時は、期待される値差が0.01円/kWhを上回る蓋然性が高く、一定の取引量が見込まれる5連系線・6商品から始まりました。具体的には、北海道から東北(逆方向)、東京と中部の間(順・逆方向)、関西から四国(逆方向)、中国から四国(逆方向)、中国から九州(逆方向)です。

そして約5年を経て、見直しが入ります。2023年4月から2024年3月のエリア間値差をもとに期待値差を算定したところ、新たに6つの方向が0.01円/kWhを上回っていた。北海道から東北(順方向)、東北から東京(順方向)、中部から北陸(逆方向)、中部から関西(逆方向)、北陸から関西(逆方向)、関西から中国(逆方向)です。これらは、2026年度分から新たに商品が設定されることになりました。再エネの拡大で値差が出やすい方向が増えている、という実態を映した拡充だといえます。

週間商品に加わる「年間商品」

商品の期間も広がります。これまでの間接送電権は、週間商品が中心でした。短い期間しかカバーできなければ、1年単位の長期の取引には使いづらい。そこで、長期の卸取引(相対の1年契約やベースロード市場など)のヘッジ手段として、4月1日から翌年3月31日までを対象とする「年間商品」を導入する方向で議論が進む。

導入時期は、システム改修などの状況を踏まえつつ、2026年度以降のできるだけ早い時期が目指されています。ただし、間接送電権の発行量は連系線の空容量が上限のため、商品の種類が増えれば、各商品の発行量は薄くなる。長期になるほど空容量の変動も読みにくい。こうした難しさにも配慮しながら、慎重に設計が進められています。

課題――「取引の適正化」という論点

間接送電権には、当初の想定とずれた使われ方という、根の深い課題があります。2025年のとりまとめで議論された論点を見ていきます。

ヘッジの道具が、収益の道具になっていないか

約定価格が、実際に発生した値差より低い傾向

保有量とスポット約定量の範囲なら値差精算を受けられる

相対取引がなくても発生値差−約定価格の収益を得られる場合がある

懸念

本来は連系線の増強費用にも充てられる値差収益が、収益目的の利用者へ流れ、増強の原資が減りかねない。

対応として議論

活用方法の周知本来のヘッジ目的での使い方を改めて知らせる

売入札価格の見直し実際の値差にリンクさせて決める(2026年度の取引から)

出典:資源エネルギー庁・JEPX「間接送電権の制度・在り方等に関する検討会 とりまとめ(2025年3月)」をもとにgreenote作成

約定価格が発生値差を下回り、収益目的の利用が生じている

間接送電権は本来、エリア間取引の値差の影響を「固定化」するための道具です。制度設計の際は、競争が進めば約定価格は期待値差に収斂し、エリアをまたぐ取引に付随して使われる、と想定されていました。ところが現実は、少し違った。

これまでの取引を見ると、実際に発生した値差よりも、約定価格が低くなる傾向が続く。しかも、利用者は保有量の範囲内かつスポット市場の約定量の範囲内であれば値差精算を受けられる。すると、エリアをまたぐ相対取引をしていなくても、スポットで約定さえしていれば「発生値差 − 約定価格」分の収益を得られる場合がある。本来のヘッジ目的を離れた、収益目的の利用が生じうるのです。資源エネルギー庁・JEPXのとりまとめ(2025年3月)は、この点を率直に指摘しています。

値差収益の流出と、売入札価格の見直し

なぜ、これが問題なのか。先に述べたとおり、間接送電権の原資である値差収益は、本来、連系線の増強費用にも充てられるべきものだからです。それが、値差の固定化ではなく収益目的の利用者へ流れてしまえば、送電網を太くするための原資が、その分減りかねない。とりまとめは、こうした取引状況を「適正ではない」と指摘しています。

対応として議論されたのが、①活用方法の周知と、②売入札価格の見直しです。とくに後者は、これまで一律に0.01円/kWhとされていた売入札価格を、実際の値差の発生状況にリンクさせて決める方式へ改めるもの。ただし、価格が急に上がって事業者の参加を過度に抑えないよう、調整係数や上限も設けられます。新たな価格設定は、2026年度の取引から適用される方向です。なお、電気の実物取引を目的としない裁定取引はJEPXの取引規程に違反するおそれがあり、適正な取引が求められています。間接送電権市場は、流動性の低さや理解の難しさという課題も抱えながら、「正しく使われる市場」へと作り込みが進む途上にあるのです。

間接送電権をどう捉えるか

間接送電権は、地域間連系線の混雑で市場が分断され、エリアごとにスポット価格が変わったとき、その値差を受け取る金融的な権利です。物理的に電気を送る権利ではなく、エリアをまたぐ取引の値差リスクをヘッジするために使われます。その原資は、市場分断が生む混雑収入(値差収益)。電力先物が「時間」のヘッジなら、間接送電権は「エリア」のヘッジを担い、両者は補い合います。

一方で、見てきたように、この仕組みは「ヘッジの道具」と「連系線増強の原資」のあいだの綱引きという、繊細な論点を抱えています。約定価格が発生値差を下回り、収益目的の利用が生じている現状をどう正すか——。2025年のとりまとめで、対象連系線の追加・年間商品・売入札価格の見直しが議論されたのは、その作り込みの一環です。間接送電権は、完成された制度というより、再エネ時代の電力市場とともに進化を続ける、生きた仕組みだといえるでしょう。電力システムの全体像は電力システムまるわかりガイドもご覧ください。

送電網の細さがもたらす地域差を、金融の仕組みでならす。間接送電権は、分断されがちな電力市場を陰で支えつつ、その使われ方をめぐって議論が続く、奥行きのある仕組みなのです。なお本記事は、特定の取引や金融商品への投資を推奨するものではなく、仕組みを中立に整理したものです。

最終更新日:2026年6月28日

よくある質問(FAQ)

Q. 間接送電権とは、電気を送る権利のことですか?

A. いいえ。間接送電権は『物理的に電気を送る権利』ではありません。地域間連系線の混雑で電力市場が分断され、エリアごとにスポット価格が変わったときに、その『エリア間の価格差(値差)を受け取る権利(または支払う義務)』という、金融的な権利です。エリアをまたいで電気を取引する事業者が、値差で思わぬ損益が出るのを和らげる(ヘッジする)ために使います。2019年度にJEPXに導入されました。

Q. 間接送電権のお金(プレミアム)は、どこから出ているのですか?

A. 市場が分断されると、JEPXには『連系線を介した約定量×エリア間の値差』にあたる値差収益(混雑収入)が生まれます。間接送電権の保有者が受け取る値差は、この混雑収入を原資としています。市場分断という歪みが生む収入で、その歪みのリスクを補う——という自己完結的な構造です。海外でも、混雑収入を原資に金融的送電権(FTR)を発行する例が多く見られます。

Q. 間接送電権と電力先物は、どう違うのですか?

A. どちらも価格変動リスクをヘッジする金融的な仕組みですが、守る対象が違います。電力先物は『時間方向』のヘッジで、将来の電力価格が上下するリスクに備えます。一方、間接送電権は『エリア方向』のヘッジで、同じ時間でも地域によって価格が変わる(市場分断による値差)リスクに備えます。両者は補い合う関係にあり、本記事は仕組みを中立に整理したものです。

Q. 間接送電権には、どんな課題があるのですか?

A. 2025年のとりまとめでは、約定価格が実際に発生した値差を下回る状況が続き、本来のヘッジ目的を離れた『収益目的の利用』が生じている点が指摘されました。これにより、本来は連系線の増強費用に充てられる値差収益が減りかねないことが問題視され、売入札価格を実際の値差にリンクさせる見直しなどが議論されています。流動性の低さや、仕組みの理解の難しさも、引き続きの課題です。

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出典・参考(一次情報)

この記事の著者

greenote編集部

ESG・サステナビリティ専門メディア 編集部

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