ISO14024とは|エコラベルの国際規格

2026.09.21
環境情報

商品パッケージについている「エコマーク」——あの緑色のマークには、根拠となる国際規格があります。それがISO14024です。第三者機関が審査して認証する「タイプI環境ラベリング」の原則と手順を定める規格で、日本のエコマークだけでなく、EUエコラベルや北欧のノルディックスワンなど、世界の主要なエコラベル制度の土台になっています。

この規格も、ISO14025とはで扱ったEPD(環境製品宣言)の規格と同じく、2026年に改訂されました。さらに調べると、自己宣言による環境主張を定めるISO14021も同じ2026年に改訂されており、環境ラベルの「タイプI・II・III」を定める3つの規格が、わずか数か月のあいだにそろって刷新されたことが分かります。本記事では、ISO14024が何を定める規格なのか、2026年改訂の内容、そして日本のエコマークとの関係を、ISO公式情報・環境省の公開情報にもとづいて整理します。

※本記事の規格情報は2026年9月時点でISO公式サイト等で確認したものです。規格の解釈・改訂状況は今後変わる可能性があるため、実務適用にあたっては最新の公式情報をご確認ください。

この記事の目次

ISO14024とは|エコラベル(タイプI環境ラベル)を定める規格

ISO14024は、エコラベリングプログラムとエコラベルの原則・要求事項・手引きを定める国際規格です。策定するのはISO/TC207/SC3(環境ラベル・宣言を扱う分科委員会)で、ISO14025とはで扱ったEPD(環境製品宣言)の規格と同じ委員会に属します。こうした個別のラベル規格を束ねる上位の枠組みがISO14063とはです。

第三者認証にもとづく「タイプI環境ラベリング」

ISO14024が対象とするのは、事業者ではなく独立した第三者機関が審査・認証する環境ラベルです。これが従来「タイプI環境ラベリング」と呼ばれてきた仕組みで、自己宣言による環境主張(ISO14021)とは、審査主体の独立性という点で決定的に異なります。日本のエコマーク、EUエコラベル、ドイツのブルーエンジェル、北欧のノルディックスワンなどが、この枠組みに属する代表的なラベル制度です。

商品類型ごとに認定基準を策定する仕組み

ISO14024に沿ったエコラベル制度は、対象とする商品類型(プロダクトカテゴリー)ごとに、環境負荷の基準を個別に設定します。同じ「エコラベル」でも、食器と事務服では着目すべき環境負荷が異なるため、商品の用途・特徴に応じて基準を作り分ける仕組みです。基準は、資源採取から廃棄・リサイクルまでのライフサイクル全体を考慮して策定されます。

2026年5月、Edition3として改訂

ISO14024の直前の版であるISO14024:2018は、ISO公式サイトで「廃止(Withdrawn)」と表示され、2026年5月にEdition3として改訂されました。改訂版は26ページ・CHF135で、SDG13(気候変動対策)だけでなくSDG14(海の生態系)・SDG15(陸の生態系)にも貢献する規格として位置づけられています。

タイトルから「タイプI」の表記が外れた

タイトルも、「Environmental labels and declarations — Type I environmental labelling」から「Environmental statements and programmes for products — Ecolabels」に変わりました。ISO公式の要約によれば、新版は「この規格に適合するエコラベルを、市場に存在する他の環境主張やエコラベルと、どう区別できるか」という観点でのガイダンスを提供する、としています。ISO14025とはの記事で見た「EPDはISO14021・ISO14024に基づくものではない」という線引きと、対になる整理といえます。

★2026年に相次いだ改訂|ISO14021・ISO14025との同時期刷新

調べていく中で見えてきたのが、この改訂が単発ではないという点です。自己宣言による環境主張を定めるISO14021も、2026年6月に第3版として改訂されており、2016年版とその修正(Amendment 1:2021)を置き換えています。ISO14021:2026では、自己宣言の環境主張が「文書化されたプログラム」の一部であることが新たに求められるようになりました。つまり、タイプI(ISO14024・2026年5月)・タイプII(ISO14021・2026年6月)・タイプIII(ISO14025・2026年6月)という、環境ラベルの3類型を定める規格が、いずれも2026年の数か月のうちに改訂されたことになります。ISO14025の記事で見た「タイプI・II・III」という分類用語の廃止は、3規格がほぼ同時に見直されたことの結果でもあったわけです。

日本の状況|エコマークとJIS Q14024

日本でISO14024に基づく代表的な制度がエコマークです。環境省の「環境ラベル等データベース」は、エコマークを「ISOの規格(ISO14024)に則った我が国唯一の第三者認証によるタイプI環境ラベル制度」と説明しています。

1989年開始・日本環境協会が運営するエコマーク

エコマークは1989年に運営が始まり、公益財団法人日本環境協会が運営しています。商品類型ごとに、資源採取から製造・流通・使用・廃棄・リユース/リサイクルまでのライフサイクル各段階で重要な環境負荷を選定し、認定基準を策定する仕組みです。基準は、学識者・関係行政機関・消費者問題専門家などから成る委員会での審議、30日間の意見募集を経て制定されます。グリーン購入法の判断基準でも、エコマーク等の認証ラベルが参考情報の一つとして位置づけられています。

JIS Q14024は2000年版のまま

国内のJIS規格ではJIS Q14024がISO14024をもとに制定されていますが、公開情報で確認できる版は2000年版にとどまっており、2018年のISO改訂にも、2026年5月の今回の改訂にも、追随した改正は2026年9月時点で確認できていません。ISO14025とはで見たJIS Q14025の状況と同様、国内の産業規格がISOの改訂サイクルに追いついていない領域があることがうかがえます。

ISO14021・ISO14025との関係|タイプI・II・IIIの総整理

環境ラベルの「タイプI・II・III」という呼び方自体は2026年の改訂で規格本文から外れましたが、審査の仕組みが3つに分かれていることに変わりはありません。なお、3類型すべての土台となる親規格ISO14020は2022年に「環境声明」ベースへ改訂されており、ISO14020とはで扱っています。

旧分類 規格 審査主体 2026年改訂
タイプI ISO14024 第三者機関(エコマーク等) 2026年5月
タイプII ISO14021 事業者の自己宣言 2026年6月
タイプIII ISO14025 第三者検証(EPD) 2026年6月
出典:ISO公式サイト各規格ページをもとにgreenote作成

いずれもカーボンフットプリントの表示条件を定めるISO14026とはと同じISO/TC207/SC3が策定を担当しています。グリーンウォッシュとはで扱ったように、根拠の薄い環境主張が問題視される中、審査主体が第三者か自己宣言かという線引きは、企業が環境訴求を行う際にどこまでの裏付けが必要かを判断するうえで重要な視点です。

まとめ

ISO14024は、第三者機関が審査・認証する「エコラベル」の原則と手順を定める国際規格で、日本のエコマークの根拠にもなっています。2026年5月にEdition3として改訂され、あわせてISO14021(6月)・ISO14025(6月)も改訂されたことで、環境ラベルの3類型を定める規格が数か月のうちにそろって刷新されました。審査主体が第三者か自己宣言かという違いを押さえておくと、環境ラベル・環境主張全体の見取り図がつかみやすくなります。

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出典・参考資料(一次情報)

リンク先は2026年9月時点で確認した各機関の公開情報です。最新は各公式情報をご確認ください。

ISO公式:
ISO14024:2026規格ページ

日本の制度:
環境省「環境ラベル等データベース」エコマーク

よくある質問(FAQ)

Q. ISO14024と日本のエコマークはどういう関係ですか?

A. エコマークは、ISO14024が定める「エコラベリングプログラム」の要件を満たす、日本国内で唯一の第三者認証による環境ラベル制度です。環境省の環境ラベル等データベースが、この関係を公式に説明しています。運営は公益財団法人日本環境協会が1989年から行っています。

Q. ISO14024とISO14021・ISO14025はどう違いますか?

A. いずれも環境ラベル・環境主張を扱う規格ですが、審査の仕組みが異なります。ISO14024は第三者機関が審査・認証するエコラベル、ISO14021は事業者が自ら行う自己宣言の環境主張、ISO14025は第三者検証を伴うEPD(環境製品宣言)を対象とします。3規格はいずれも2026年に改訂されました。

Q. ISO14024:2018とISO14024:2026は何が違いますか?

A. 2026年5月の改訂で、タイトルが「Type I environmental labelling」から「Ecolabels」を含む表記に変わり、この規格に適合するエコラベルを他の環境主張・エコラベルと区別するためのガイダンスが追加されました。同時期に改訂されたISO14021・ISO14025とあわせて、環境ラベルの分類が整理し直された改訂です。

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