B Corp(Bコーポレーション)認証とは|取得基準・5分野・2025年新基準とメリットを解説

2026.08.20
ESG投資

「環境や社会に配慮した“いい会社”であることを、第三者に証明したい」——そんなニーズに応える国際的な認証が、B Corp(Bコーポレーション)認証です。売上や利益だけでなく、企業が社会・環境に与える影響(インパクト)の高さを評価する仕組みで、世界で1万社近くが取得しているとされます。

この記事では、B Corp認証とは何か、取得の基準(B Impact Assessmentと5分野)、2025年から始まった新基準、企業が取得するメリットと注意点、そして日本の状況までを、わかりやすく整理します。

※本記事は2026年時点の公表情報にもとづく一般的な解説です。認証基準・取得社数などは時点により変わります。最新・確定の内容はB Lab等の公式情報をご確認ください。

この記事の目次

B Corp(Bコーポレーション)認証とは

B Labによる「企業まるごと」の認証

B Corp認証は、米国発の非営利団体B Labが運営する国際的な認証制度です。特定の製品やサービスではなく、企業全体の社会・環境パフォーマンス、説明責任、透明性の高さを評価する点が特徴です。有機JASやエコマークが「モノ」の認証だとすれば、B Corpは「会社そのもの」の認証といえます。

営利企業でありながら、株主の利益だけでなく、従業員・取引先・地域・環境といったすべてのステークホルダーへの配慮を経営に組み込んでいることを、第三者が客観的に証明する——それがB Corpの基本的な考え方です。

ベネフィットコーポレーションとの違い

混同されやすいのが「ベネフィットコーポレーション(Benefit Corporation)」です。こちらは、米国の一部の州などで認められた法人形態(法律上の会社の種類)で、定款で社会的目的の追求を定めるものです。一方のB Corpは、B Labによる民間の認証で、法人形態は問いません。「認証」と「法人形態」という違いがあり、両立させている企業もあります。

認証の基準|B Impact Assessmentと5分野

B Impact Assessment(80点以上)

認証の入り口となるのが、B Labが無料で提供するオンライン評価ツール「B Impact Assessment(BIA)」です。約200問の設問に答え、事業が社会・環境に与える影響をスコア化します。従来の基準では、200点満点で80点以上を獲得し、B Labによる検証を経ることが認証の条件とされてきました。

評価される5つの分野

従来のBIAでは、次の5つの分野を横断的に評価してきました。特定の分野だけが優れていればよいのではなく、経営全体のバランスが問われます。

分野主な評価の視点
ガバナンス経営の使命・倫理・透明性、ステークホルダーへの説明責任。
従業員賃金・福利厚生・健康・成長機会など働く人への配慮。
コミュニティ地域社会・サプライチェーン・多様性への貢献。
環境エネルギー・排出・資源・生物多様性などへの影響。
顧客製品・サービスが顧客や社会にもたらす価値。

2025年からの新基準|7つのインパクト分野

B Labは認証基準を大きく見直し、2025年から新基準への移行を進めているとされます。最大の変化は、「合計80点」という一つのスコアで判定する方式から、複数のテーマごとに必須要件を満たす方式へと軸足を移す点です。

新基準では、次の7つのインパクト分野が示されていると報じられています。気候変動や人権など、社会が重視する論点がより明確に組み込まれた形です。

目的とステークホルダー・ガバナンス 気候アクション 人権 公正な仕事 環境管理と循環性 公正・公平・多様性・包摂(JEDI) 政策関与・協働

移行の時期や適用の詳細は、企業の規模や所在地により異なるとされ、公式情報での確認が欠かせません。いずれにせよ、「高いスコア」から「重要テーマの着実な実践」へという方向性が読み取れます。マテリアリティ(重要課題)にもとづく経営とも重なる考え方です。

企業がB Corpを取得するメリット

認証はゴールではなく手段ですが、取得によって次のような効果が期待できるとされます。

  • 信頼性の証明:第三者認証により、グリーンウォッシュとの違いを客観的に示せる。
  • ブランド・顧客との関係エシカル消費を重視する消費者や取引先から選ばれやすくなる。
  • 採用・人材:パーパスに共感する人材の獲得・定着に効く。
  • 資金調達ESG投資インパクト投資の観点から評価されやすい。
  • 経営の規律:取得プロセス自体が、自社の課題を棚卸しする機会になる。

認証取得の流れと注意点

取得のステップ

おおまかな流れは、次のように整理できます。

①自己評価
BIAで現状把握
②改善
基準に向け取り組み
③検証
B Labの審査
④認証・更新
定期的に再認証

見落としがちな注意点

取得には相応の時間と工数がかかり、定期的な再認証(従来は3年ごととされる)も必要です。年商に応じた認証料も発生します。また、認証はあくまで「継続的な改善の出発点」であり、取って終わりにすると、かえってグリーンウォッシュと受け取られかねません。自社の重要課題と結びつけて、実態を伴わせることが大切です。

日本の状況

日本のB Corp認証企業は、まだ多くはないものの、近年急速に増えているとされます。2024年にはB Labの日本支部が設立されたと報じられ、認証取得を目指す企業への支援体制も整いつつあります。食品・アパレル・化粧品・サービスなど、消費者に近い業種を中心に広がってきました。

大企業だけでなく、中小企業やスタートアップにとっても、B Corpは「規模ではなく姿勢で評価される」仕組みとして注目されています。サステナビリティ経営を対外的に示す一つの選択肢として、検討する価値があります。

メールマガジン

制度改正と最新動向を、月に数回

ESG・開示・脱炭素のルールは毎年変わります。実務に効く変更点だけを整理して、月に数回お届けします(登録無料・解除はワンクリック)。

無料で登録する

自社の算定・開示のご相談は → お問い合わせ

まとめ|B Corpは「事業のあり方」を問う認証

B Corp認証は、製品や個別の取り組みではなく企業そのものを評価する仕組みです。B Impact Assessment(BIA)で環境・従業員・コミュニティ・顧客・ガバナンスといった側面を採点し、基準点を満たすことが出発点になります。2025年からは7つのインパクト分野による新基準へ移行が進み、「取得したら終わり」ではなく継続的な改善が前提の制度になりました。

日本での取得企業はまだ限られますが、採用・ブランド・取引先からの評価といった面で意味を持ちはじめています。一方で、認証取得には相応の工数と費用がかかり、自社の事業と価値観に本当に合うかを見極めることが前提です。他の枠組み(ESG評価・格付けサステナビリティ経営)と目的を整理してから検討するとよいでしょう。

出典・参考資料(一次情報)

リンク先は2026年時点で確認したB Lab等の公開情報です。基準・社数は更新されるため、最新は各公式情報をご確認ください。

B Lab(運営団体)B Lab|About B Corp CertificationB Lab|CertificationB Lab|Standards(新基準)B Lab Japan(日本)

よくある質問(FAQ)

Q. B Corp認証とは何ですか?

A. 非営利団体B Labが運営する国際的な認証制度で、企業全体の社会・環境パフォーマンス、説明責任、透明性の高さを評価します。特定の製品ではなく「会社そのもの」を認証する点が特徴です。

Q. 取得するにはどうすればよいですか?

A. B Labが提供する評価ツール「B Impact Assessment(BIA)」で自社を評価し、基準(従来は200点満点で80点以上)を満たしたうえで、B Labの検証を受けます。2025年からは、複数のインパクト分野ごとに要件を満たす新基準への移行が進むとされます。

Q. 中小企業でも取得できますか?

A. できます。B Corpは規模ではなく経営の姿勢を評価する仕組みで、日本でも中小企業やスタートアップの取得が増えているとされます。取得には時間・工数・認証料と、定期的な再認証が必要な点には留意が必要です。

最終更新日:2026年8月27日

この記事の著者

greenote編集部

ESG・サステナビリティ専門メディア 編集部

官公庁・国際機関・企業の一次情報に基づき、ESG・環境情報・サステナビリティ開示・IRの実務に役立つ解説を、出典を明記して発信しています。各記事は編集部が一次情報との整合を確認のうえ作成しています。詳しくは編集方針・運営者情報をご覧ください。

編集責任

greenote編集責任者

サステナビリティ実務・編集統括

ESG・サステナビリティ開示・脱炭素分野の一次情報を継続的に確認し、greenote掲載記事の企画・編集・公開に責任を持っています。官公庁・国際機関の公式情報に基づく編集方針を統括しています。

関連記事

目次