「スコープ3を算定しなければならないが、15カテゴリのどこから手をつければよいのか分からない」。ESGや環境の実務では、そうした相談をよく受けます。
スコープ3排出量の算定方法は、「活動量 × 排出原単位」という基本式で求めるのが出発点です。15のカテゴリのうち自社に関係する範囲を見極め、影響の大きいカテゴリから優先して算定するのが現実的な進め方です。最初から全てを高精度で算定する必要はありません。
本記事では、スコープ3の定義と15カテゴリの分類、3つの算定手法、重要カテゴリの特定からデータ収集・開示までの実務ステップ、そして使えるデータベースとつまずきやすいポイントを順に解説します。実務の判断に使える形へ整理しました。お役に立てれば幸いです。
出典:環境省「グリーン・バリューチェーンプラットフォーム」(サプライチェーン排出量全般)
≡目次
- 1スコープ3とは|サプライチェーン全体のGHG排出量
- ►スコープ3の定義と位置づけ
- ►スコープ1・2・3の違い
- ►なぜスコープ3の算定・開示が重要なのか
- 2スコープ3の15カテゴリ一覧|上流8・下流7の分類
- ►上流カテゴリ(1〜8)の概要
- ►下流カテゴリ(9〜15)の概要
- ►自社に関係するカテゴリの見極め方
- 3スコープ3排出量の算定方法|基本式と3つの算定手法
- ►支出額基準法(スペンドベース)
- ►活動量基準法(アクティビティベース)
- ►サプライヤー固有データ法
- 4カテゴリ別の算定の考え方|実務で押さえる主要カテゴリ
- ►カテゴリ1(購入した製品・サービス)
- ►カテゴリ11(販売した製品の使用)
- ►カテゴリ15(投資)
- ►一次データ活用への動き
- 5スコープ3算定の実務ステップ|重要カテゴリの特定から開示まで
- ►ステップ1:重要カテゴリの特定
- ►ステップ2:データ収集体制の構築
- ►ステップ3:算定・検証・開示
- 6算定で使えるデータベース・ツールと精度向上の進め方
- ►環境省の排出原単位データベース
- ►算定ツール・サービスの選び方
- ►スペンドベースから一次データへ精度を高める
- 7スコープ3算定でつまずきやすいポイントと対応策
- ►取引先からのデータ収集の難しさ
- ►カテゴリ選定と算定範囲の誤り
- ►排出原単位の更新と継続性
- 8まとめ|スコープ3算定は「重要カテゴリ優先」で着実に
- 9よくある質問(FAQ)
スコープ3とは|サプライチェーン全体のGHG排出量
スコープ3とは、自社の事業活動に関連して、サプライチェーン全体で生じる温室効果ガス(GHG)の間接排出量を指します。原材料の調達から製品の使用・廃棄まで、自社の外で発生する排出を幅広く対象とする区分です。まずは定義と位置づけを押さえましょう。
スコープ3の定義と位置づけ
GHG排出量は、国際的な算定基準であるGHGプロトコルにより、スコープ1・2・3の3区分で整理されます。スコープ3は、このうちスコープ1・2に含まれない、その他すべての間接排出を担う区分です。
具体的には、調達した原材料の製造時に出た排出や、販売した製品が使われる段階の排出などが該当します。自社が直接コントロールしにくい排出でありながら、事業を通じて関わっている点が特徴と言えます。だからこそ、サプライチェーン全体での責任を示す指標として注目を集めてきました。
スコープ1・2・3の違い
スコープ1は自社の直接排出、スコープ2は購入した電力や熱による間接排出、そしてスコープ3はそれ以外のサプライチェーン全体の間接排出を指します。サステナビリティ解説動画『スコープ1・2・3とは』でも、この3区分が基本知識として整理されています。
3区分のうち、多くの企業で排出量が最も大きくなるのがスコープ3です。製造業では、自社の工場で出る排出(スコープ1・2)よりも、原材料や製品使用に伴う排出(スコープ3)のほうが桁違いに大きい例も珍しくありません。脱炭素を本気で進めるなら、スコープ3の把握が避けて通れない理由がここにあるのです。
なぜスコープ3の算定・開示が重要なのか
スコープ3の算定が重要視される背景には、開示制度の進展があります。前述のSSBJの気候関連開示基準やTCFDに沿った開示で、スコープ3排出量が求められる流れが強まってきました。SSBJ基準の詳細は、関連記事のSSBJ基準とは|適用スケジュール・開示項目・ISSBとの違いで解説しています。
投資家や取引先も、サプライチェーン全体の排出に目を向けるようになりました。私たちgreenote編集部の取材実感としても、大企業が取引先にスコープ3データの提供を求める動きは、着実に広がっています。算定は、もはや一部の先進企業だけのテーマではありません。
スコープ3の15カテゴリ一覧|上流8・下流7の分類
スコープ3は、GHGプロトコルにより15のカテゴリに分類されます。事業の上流にあたるカテゴリ1〜8と、下流にあたるカテゴリ9〜15に大きく分かれる構成です。全体像をつかむと、自社に関係する範囲が見えてきます。
上流カテゴリ(1〜8)の概要
上流は、自社が製品やサービスを生み出すまでに関わる排出です。原材料の調達(カテゴリ1)、資本財(カテゴリ2)、輸送・配送(カテゴリ4)、出張(カテゴリ6)、通勤(カテゴリ7)などが並びます。
なかでもカテゴリ1(購入した製品・サービス)は、多くの企業で最大の排出源になりやすい項目です。仕入れた原材料や部品の製造段階の排出が、ここに集約されるためと言えます。上流の把握は、調達を見直す出発点でもあるのです。
下流カテゴリ(9〜15)の概要
下流は、自社が販売した後に生じる排出です。販売した製品の輸送(カテゴリ9)、加工(カテゴリ10)、使用(カテゴリ11)、廃棄(カテゴリ12)、そして投資(カテゴリ15)などが含まれます。
製品を使う段階で電力やエネルギーを消費する製品では、カテゴリ11(販売した製品の使用)が大きくなりがちです。金融機関の場合は、投融資先の排出を扱うカテゴリ15(投資)が中心です。下流は業種による差が大きい領域と言えます。
- 1購入した製品・サービス
- 2資本財
- 3燃料・エネルギー関連活動(Scope1・2外)
- 4輸送・配送(上流)
- 5事業から出る廃棄物
- 6出張
- 7雇用者の通勤
- 8リース資産(上流)
- 9輸送・配送(下流)
- 10販売した製品の加工
- 11販売した製品の使用
- 12販売した製品の廃棄
- 13リース資産(下流)
- 14フランチャイズ
- 15投資
自社に関係するカテゴリの見極め方
15カテゴリのすべてが、自社に該当するとは限りません。事業内容によっては、排出量がごく小さい、あるいは該当しないカテゴリも出てきます。まずは各カテゴリの該当性を点検し、影響度の大きい範囲を絞り込む作業が出発点です。
たとえば、製品を持たないサービス業ではカテゴリ11の重みは小さく、逆にメーカーでは上流の調達が中心です。自社のビジネスモデルに照らして該当性を判断すれば、優先順位が自ずと見えてきます。
スコープ3排出量の算定方法|基本式と3つの算定手法
スコープ3排出量は、「活動量 × 排出原単位」という基本式で算定します。活動量の捉え方によって、スペンドベース・活動量ベース・サプライヤー固有データという3つの手法に分かれる仕組みです。環境省『CO2排出量を測ってみよう』でも、この基本式が算定の土台として示されています。
支出額基準法(スペンドベース)
スペンドベースとは、購入した金額に金額あたりの排出原単位を掛けて算定する手法です。「いくら使ったか」という支出データから概算できるため、最も着手しやすい方法と言えます。
精度は粗いものの、まず全体像をつかむ初期段階に向いています。多くの企業様が、このスペンドベースから算定をスタートしています。金額さえ分かれば計算できる手軽さが、最初の一歩を後押しします。
活動量基準法(アクティビティベース)
活動量基準法は、購入した物の重量や数量、電力量といった物理的な活動量に、それぞれの排出原単位を掛けて算定する手法です。支出額ではなく実際の活動量を使うため、スペンドベースより精度が高い点が利点です。
たとえば「鉄を何トン購入したか」という物量に原単位を掛ければ、価格変動に左右されない排出量が得られます。重要なカテゴリでは、この活動量ベースへ切り替える企業が増えてきました。
サプライヤー固有データ法
サプライヤー固有データ法は、取引先から実際の排出データの提供を受けて算定する、最も精度の高い手法です。一次データを使うため、原単位による推計の誤差を抑えられます。
メンバーズが紹介する村田製作所の事例では、カテゴリ1の算定で取引先から一次データを収集する取り組みが進められています。手間はかかるものの、削減努力を正確に反映できる点が強みです。重要な取引先から段階的に広げる進め方が現実的でしょう。
カテゴリ別の算定の考え方|実務で押さえる主要カテゴリ
15カテゴリのうち、多くの企業で排出量が大きくなりやすいのが、カテゴリ1・11・15です。実務では、影響の大きいカテゴリから優先して精度を高める進め方が効率的です。代表的なカテゴリの考え方を整理します。
カテゴリ1(購入した製品・サービス)
カテゴリ1は、調達した原材料・部品・サービスの製造段階で生じた排出を扱います。製造業を中心に、スコープ3全体の大半を占めることが多い最重要カテゴリです。
脱炭素アドバイザー試験対策の解説動画でも、カテゴリ1の算定はスペンドベースから始め、重要な調達先で一次データへ移行する流れが示されています。調達品目が多いほど算定は複雑になるため、金額や数量の大きい品目から着手する判断が鍵を握る場面です。
カテゴリ11(販売した製品の使用)
カテゴリ11は、販売した製品が使われる段階で生じる排出を対象とします。電力を消費する家電や、燃料を使う輸送機器などでは、このカテゴリが突出して大きくなる傾向です。
製品の生涯にわたる使用を見積もるため、想定使用年数や使用条件の置き方が結果を左右します。前提条件を明示して算定すれば、開示の透明性が高まるはずです。製品設計による省エネが、そのまま削減につながる領域でもあります。
カテゴリ15(投資)
カテゴリ15は、投融資先の排出のうち自社の出資分を扱うカテゴリです。銀行や保険、運用会社といった金融機関では、このカテゴリが排出量の中心を占めます。
投融資先の排出を捉える算定は専門性が高く、PCAFと呼ばれる国際的な基準が参照されることもあります。金融機関にとっては、投融資ポートフォリオの脱炭素が経営課題に直結する論点です。
購入した製品・サービス
調達した原材料・部品の製造段階の排出。
販売した製品の使用
販売後、製品が使われる段階の排出。
投資
投融資先の排出のうち自社の出資分。
一次データ活用への動き
算定の精度を高める流れのなかで、取引先から一次データを集める動きが広がってきました。原単位による推計から、実測に近いデータへ移行する潮流です。
一次データは、サプライヤーの削減努力を反映できる点に価値があります。先行する企業は、主要な取引先と連携し、データ提供の仕組みづくりに着手しています。算定の高度化は、サプライチェーン全体の脱炭素を促す効果も生みます。
スコープ3算定の実務ステップ|重要カテゴリの特定から開示まで
スコープ3の算定は、重要カテゴリの特定・データ収集体制の構築・算定と検証・開示という流れで進めます。最初から全カテゴリを完璧に算定する必要はなく、影響の大きい範囲から着手するのが実務的です。3ステップで示します。
ステップ1:重要カテゴリの特定
最初の作業は、自社にとって重要なカテゴリの特定です。15カテゴリの該当性と、おおまかな排出規模を見積もり、優先順位を決めます。
ここでスペンドベースの概算が役立ちます。まず粗くても全カテゴリを試算し、大きい順に並べれば、注力すべき範囲が浮かび上がります。限られたリソースを重要カテゴリへ集中させる判断が、効率を左右します。
ステップ2:データ収集体制の構築
次に取り組むのが、データ収集の体制づくりです。スコープ3は購買・物流・製品開発など複数の部門にデータが分散するため、社内の連携が欠かせません。
誰が・いつ・どの形式でデータを集めるのかを決めておかないと、開示直前に負荷が集中します。筆者が算定支援の現場で見てきた限りでも、つまずきの多くは計算そのものより、このデータ収集の段取り不足にありました。年間の業務サイクルに算定を組み込み、平常時からデータを蓄積する運用へ切り替えると無理がありません。取引先への依頼も、早めの設計が肝心です。
ステップ3:算定・検証・開示
データがそろったら、基本式に沿って算定し、結果を検証して開示します。算定の前提や使用した原単位の版を記録しておけば、第三者による検証にも備えられます。
開示では、算定手法や対象範囲をあわせて示すと、数値の信頼性が伝わります。前年との比較や削減目標とあわせて開示すれば、取り組みの本気度がより明確に伝わります。
重要カテゴリの特定
スペンドベースで全カテゴリを概算し、規模の大きい順に優先順位をつける。
データ収集体制の構築
購買・物流・製品開発など部門連携を整え、取引先への依頼を早めに設計する。
算定・検証・開示
基本式で算定し、前提と原単位の版を記録。算定手法と対象範囲もあわせて開示する。
算定で使えるデータベース・ツールと精度向上の進め方
スコープ3の算定では、排出原単位データベースの活用が欠かせません。環境省が公開するデータベースなどを使えば、専門知識が浅くても算定に着手できます。ツールの選び方と、段階的に精度を高める考え方を解説します。
環境省の排出原単位データベース
環境省は、サプライチェーン排出量の算定に使える排出原単位データベースを公開しています。グリーン・バリューチェーンプラットフォームで提供され、誰でも参照できる点が利点です。詳細は環境省 グリーン・バリューチェーンプラットフォームで確認できます。
このデータベースを使えば、品目や活動量に対応する原単位を当てはめて算定できます。CO2排出量算定ツールの選び方は、関連記事のCO2排出量算定ツールの選び方と導入のポイントでも整理しています。原単位は更新されるため、算定時点の版を控えておくことが大切です。
算定ツール・サービスの選び方
算定を支援するクラウドツールや専門サービスも増えてきました。自社の体制や算定範囲に合わせて、無理なく続けられるものを選ぶ視点が重要です。
ツール選びでは、対応するカテゴリの範囲、原単位データベースの収録状況、取引先データの取り込みやすさを確認しましょう。導入して終わりではなく、毎年の算定を回せるかどうかが見極めのポイントです。
スペンドベースから一次データへ精度を高める
算定は、一度で完成させるものではありません。初年度はスペンドベースで全体像をつかみ、翌年以降に重要カテゴリを活動量ベースや一次データへ切り替える。そうした段階的な高度化が、現実的かつ着実な進め方です。
スペンドベース
支出額で全体像を概算する。
活動量ベース
重要カテゴリを物量データで算定する。
サプライヤー固有データ
取引先の一次データで実測に近づける。
完璧を最初から目指すより、回せる仕組みを整えて毎年改善するほうが、長期的には質の高い算定へとつながるはずです。
スコープ3算定でつまずきやすいポイントと対応策
スコープ3の算定では、データ収集・カテゴリ選定・原単位の更新という3点でつまずきやすい傾向があります。先回りして備えておくと、開示初年度の負担を抑えられます。よくある課題と対応策を整理します。
取引先からのデータ収集の難しさ
最も多い課題が、取引先からのデータ収集です。サプライヤーが算定に不慣れだったり、データの形式がそろわなかったりすると、回収が滞ります。
対応策は、依頼の早期化と、提供しやすい様式の用意です。求めるデータの項目と粒度をあらかじめ示し、相手の負担を減らす工夫が回収率を高めます。重要な取引先から段階的に広げる進め方も有効でしょう。
カテゴリ選定と算定範囲の誤り
カテゴリの該当性を誤って判断すると、算定範囲がぶれてしまいます。本来重要なカテゴリを見落としたり、逆に小さなカテゴリに労力を割きすぎたりするケースが見られます。
対応策として、初年度に全カテゴリを粗く試算し、規模を把握したうえで範囲を確定させる方法が有効です。算定範囲と除外したカテゴリの理由を記録しておけば、開示の説明にも役立ちます。
排出原単位の更新と継続性
排出原単位は定期的に更新されるため、年度をまたぐと数値の連続性が崩れることがあります。どの版を使ったかが曖昧だと、前年比較の意味が薄れてしまいます。
対応策は、算定に使った原単位データベースの版と年次を記録しておくことです。更新があった場合は、その影響を注記する。こうした記録の習慣が、継続的で信頼される算定を支えます。
| つまずきやすいポイント | 対応策 |
|---|---|
| 取引先からのデータ収集の難しさ | 依頼を早期化し、提供しやすい様式と項目・粒度をあらかじめ示す。 |
| カテゴリ選定・算定範囲の誤り | 初年度に全カテゴリを粗く試算し、範囲を確定して理由を記録する。 |
| 排出原単位の更新と継続性 | 使用した原単位の版と年次を記録し、更新の影響を注記する。 |
まとめ|スコープ3算定は「重要カテゴリ優先」で着実に
スコープ3排出量の算定方法は、「活動量 × 排出原単位」を基本式に、スペンドベース・活動量ベース・サプライヤー固有データの3手法を使い分けて進めます。15カテゴリのうち自社に関係する範囲を見極め、影響の大きいカテゴリから優先して精度を高めるのが現実的です。
実務では、重要カテゴリの特定から始め、データ収集体制を整え、算定・検証・開示へとつなげます。環境省の排出原単位データベースを使えば、専門知識が浅くても着手できます。気候変動が経営に与える影響は、関連記事の気候変動リスクが企業経営に与える影響と対応策もあわせてご覧ください。
完璧を最初から目指す必要はありません。回せる仕組みを整え、毎年改善していく姿勢こそが、信頼される開示への近道です。
よくある質問(FAQ)
Q. スコープ3排出量の算定は義務ですか?
スコープ3単体での算定が一律に義務づけられているわけではありません。ただし、SSBJの気候関連開示基準やTCFDに沿った開示でスコープ3排出量が求められる流れにあり、対象となる上場企業を中心に算定の必要性が高まっています。サプライチェーン上の取引先も、データ提供を求められる場面が想定されます。
Q. スペンドベースと活動量ベースは、どちらで算定すべきですか?
まずは支出額から概算するスペンドベースで全体像をつかみ、影響の大きいカテゴリから活動量ベースやサプライヤー固有データへ精度を高めるのが現実的です。最初から全てを高精度で算定する必要はなく、重要度に応じて手法を使い分ける考え方が一般的です。
Q. 15カテゴリすべてを算定する必要がありますか?
すべてのカテゴリが自社に該当するとは限りません。事業内容によっては排出量がごく小さい、あるいは該当しないカテゴリもあります。各カテゴリの該当性と影響度を評価し、重要なカテゴリから優先して算定する進め方が推奨されます。
Q. スコープ3で最も排出量が大きくなりやすいカテゴリはどこですか?
業種によりますが、原材料調達のカテゴリ1(購入した製品・サービス)や、製品使用時のカテゴリ11(販売した製品の使用)が大きくなりやすい傾向です。金融業ではカテゴリ15(投資)が中心です。自社の事業特性に応じて重要カテゴリを見極めることが大切と言えます。
Q. 排出原単位はどこで入手できますか?
環境省が公開する排出原単位データベースや、産業連関ベースのデータベースが代表的な入手先です。これらを使えば、専門的なデータがなくても算定に着手できます。原単位は更新されるため、算定時点の版を明示しておくことが望ましいでしょう。
Q. 中小企業もスコープ3を算定する必要がありますか?
現時点で直接の開示対象は大企業・上場企業が中心です。ただし、取引先である上場企業からカテゴリ1算定のためのデータ提供を求められるケースが増えています。まずは自社のスコープ1・2を把握し、求められた範囲のデータを提供できる体制を整えておくと安心です。