「富士フイルム」と聞くと、写真フィルムの会社というイメージを持つ方も多いかもしれません。
ところが今、その”フィルムづくり”で培った技術や知見が、環境分野で高く評価されています。本記事では、富士フイルムホールディングスのESG経営を分析し、評価機関が高く評価しているポイントを抽出します。
※評価結果は毎年更新されます。本記事は富士フイルムおよびCDPの公表情報(2024〜2025年時点)に基づくもので、最新の状況は富士フイルム公式サイト等でご確認ください。

「フィルムの会社」が、実は水に強い理由
写真フィルムの製造には、大量の「きれいな水」が欠かせません。
そのため富士フイルムは、創業当初から効率的な水の使い方や、自社工場での排水浄化に取り組んできました。いわば、水を大切に扱うことが会社の”DNA”になっているのです。
事業の出発点で必要に迫られて磨いた技術が、いまの環境評価につながっている——この点が富士フイルムの面白さです。
評価機関が高く評価している点
気候・水の2分野で最高評価
富士フイルムは、CDPの「気候変動」「水セキュリティ」の2分野で最高評価「Aリスト」を獲得したと発表しています。
気候変動だけに偏らず、水の分野でも継続的に高評価を得ている点が特徴です。
最先端の技術で脱炭素に挑む
富士フイルムは、メタネーションや水素といった先端技術を使い、環境負荷の少ない新たな生産活動を追求しています。
さらに、東京ガスや神奈川県南足柄市と「脱炭素社会の実現に向けた包括連携協定」を結ぶなど、自社だけで抱え込まず、企業や自治体と組んで前に進める姿勢も見られます。
水を「使う」だけでなく「社会の役に立てる」
富士フイルムの水への取り組みは、自社の使用量削減にとどまりません。
2030年に向けた計画「Sustainable Value Plan 2030」では、自社の水投入量を削減する目標に加え、水処理に役立つ製品・サービスを通じて、社会全体の水処理に貢献するという目標も掲げています。
「自社の負担を減らす」だけでなく「社会の課題解決に事業で貢献する」——この発想が評価の背景にあると考えられます。
他の高評価企業の共通点は、総論記事でまとめています。
富士フイルムから学べること
富士フイルムの事例には、業種を問わず使えるヒントがあります。
- 自社の強みを環境に活かす:本業で培った技術や知見を、環境課題の解決に転用する。
- 外と組んで進める:自社だけで抱えず、企業・自治体と連携してスピードを上げる。
- 「貢献」まで視野に入れる:負担削減だけでなく、製品・サービスで社会の課題解決に役立てる。
こうした視点は、ESG情報開示で自社の物語を語るうえでも役立ちます。
まとめ
富士フイルムが環境で高く評価されているのは、フィルム事業で培った水管理の知見、先端技術を使った脱炭素への挑戦、そして「社会の課題解決に事業で貢献する」という発想にあります。
本業の強みを環境に活かすという考え方は、多くの企業にとって参考になるはずです。評価は毎年更新されるため、最新情報は富士フイルムおよびCDPの公式発表をご確認ください。
greenoteでは、ESG評価・企業事例をわかりやすく分析・発信しています。ご相談はお気軽にどうぞ。
よくある質問(FAQ)
Q. 富士フイルムはなぜ環境分野で高く評価されているのですか?
A. 写真フィルム製造で培った水管理の知見、メタネーションや水素などの先端技術を使った脱炭素への取り組み、水処理製品で社会に貢献する姿勢などが評価され、CDPの気候変動・水セキュリティの2分野で最高評価を得ています。
Q. 「Sustainable Value Plan 2030」とは何ですか?
A. 富士フイルムが2030年に向けて掲げるCSR計画です。自社の水投入量削減などの目標に加え、水処理に役立つ製品・サービスを通じて社会全体の水処理に貢献するという目標も含まれています。
Q. 富士フイルムの取り組みから学べることは何ですか?
A. 本業で培った技術や知見を環境課題の解決に活かすこと、企業や自治体と連携して進めること、負担削減だけでなく社会への貢献まで視野に入れることなどが、業種を問わず参考になります。